当事者のお立場から,日常生活のことや感じたことについて情報を発信している方がいらっしゃいます。一部にはなりますが,ご紹介いたします。
ブログ
https://aoirosmile.com/aphantasia/
動画
国内においてアファンタジアという概念が提唱される以前から,ご自身の視覚イメージが浮かばないことを報告されてきた当事者の方がYouTubeに動画をあげてくださっています。
アファンタジアに関する研究知見について,主なものを取りあげて簡単に紹介します。2015年~2020年くらいは調査系の研究が多いですが,2020年以降は行動実験に関する研究も増えていると言えます。
論文
・ Zeman et al.(2010), Neuropsychologia
アファンタジア提唱のきっかけとなった単一事例研究に関する論文。
・ Zeman et al.(2015), Cortex
アファンタジアを提唱した論文。イメージが浮かびにくいと自覚のある21名を対象とした質問紙調査の結果などが報告されている。
・ Keogh and Pearson(2018), Cortex
アファンタジアの視覚イメージについて,行動実験(両眼視野闘争)を用いて検討した論文。
・ Jacobs et al.(2018), Cortex
アファンタジアの視覚イメージについて,行動実験(記憶課題)を用いて検討した論文。
・ Dawes et al.(2020), Scientific Reports
アファンタジアのイメージについて,聴覚や触覚なども含んだ多感覚イメージの観点から調査を行った論文。
・ Zeman et al.(2020), Cortex
アファンタジアとハイパーファンタジア(アファンタジアとは逆に,かなりイメージが浮かびやすい人たち)を対象として自伝的記憶,顔認知,夢見,気分,共感覚の経験などに関する調査を行った論文。
・ Nanay(2020), Philosophical Transactions of the Royal Society B
アファンタジアの定義について理論的に検討した論文。
・ Bainbridge et al.(2021), Cortex
アファンタジアの視覚イメージについて,行動実験(描画課題)を用いて検討した論文。
・ Monzel et al.(2021), Attention, Perception, & Psychophysics
アファンタジアの視覚イメージについて,行動実験(視覚探索)を用いて検討した論文。
・ Milton et al.(2021), Cerebral Cortex Communication
アファンタジアとハイパーファンタジアを対象として,fMRIを用いて脳機能測定を行い比較した論文。
・ Dance et al.(2022), Consciousness and Cognition
アファンタジアの割合(社会においてどのくらいアファンタジアに該当する人が存在するのか)について調査を行った論文。
・ Blomkvist(2022), Mind & Language
アファンタジアの定義について理論的に検討した論文。
・ Cavedon-Taylor(2022), Frontiers in Psychology
アファンタジアの定義について理論的に検討した論文。
・ Dance et al.(2022), Consciousness and Cognition
アファンタジアの割合(社会においてどのくらいアファンタジアに該当する人が存在するのか)について調査を行った論文。
・ Palermo et al.(2022), Consciousness and Cognition
アファンタジアの視覚イメージについて,物体イメージと空間イメージの観点から調査を行った論文。
・ Wittman and Şatırer(2022), Learning & Memory
アファンタジアの視覚イメージについて,行動実験(記憶課題および回答の信頼性)を用いて検討した論文。
・ Monzel et al.(2023), Attention, Perception, & Psychophisics
アファンタジアの視覚イメージについて,行動実験(視覚探索)を用いて検討した論文。
書籍
1. Kendle, A. Aphantasia: Experiences, perceptions, and insights. Oakamoor, Staffordshire: Dark River, 2017.
海外の当事者たちが,自信のアファンタジアの体験について語ったエピソードを収録した著書。日本語訳は以下。
髙橋純一・行場次朗(共訳)アファンタジア:イメージのない世界で生きる. 北大路書房, 2021.